どんな困難な状況でも事業を続ける上で大切なこと
誰もがまさかこんな事態が、と思ったことが起きてしまったコロナ禍。
学校のオンライン化、会社のリモートワーク・テレワーク化、支払いのキャッシュレス化が進み、先日読んだ記事にはオフィス不要論が書かれていました。
なるほど・・・、そうかもしれません。
これらの例のように、間違いなくこれからはサービスの提供方法や、お客さまが求めるもの、世間の価値観が変化していくはずで、それに私たちも対応していかなければいけないのかもしれません。
レッスンのオンライン化を進めるお客さまの事例
私のお客さまの中にも、教室業をお休みせざるを得ない中、次の「再びこうなること」を見据えて、休業中に、さまざまな準備をされてきた方がいます。
私はこの数カ月、お手伝いをさせて頂いていました。
蕨市のお菓子教室「パティスリーミチ」谷田部道子さんです。
(普段は、ミチさん、とお呼びしています)
ミチさんには、合同会社パティスリーミチとして、当教室の月極作業代行サービスに法人契約をしていただいています。
先日ミチさんのブログで、そのサポートの様子をご紹介くださいました。
この記事を読むとお判りいただけるように、ミチさんもレッスンのオンライン化を進めるため、現在、動画レッスンに取り組んでいます。
その過程で、ご相談や調査、PayPal決済のテスト、販促物の新規作成、その他の細かな作業をご依頼をいただき、お手伝いしてきました。
私がすでに知っていることもあれば、全く知らなかったこともありました。
調査の依頼を受けて検索し、良さそうなものを見つけ、テストを行うなどして、ベストな方法をご提案させていただきました。
ミチさんの数々のご依頼は、私にとって新たな分野を勉強する機会を与えていただけましたし、毎日が楽しい刺激の連続で、ワクワクしながらお手伝いしていました。
動画レッスン導入の根底にあるもの
これらのご依頼を通して感じたのは、ミチさんが生徒さんをいかに大切に思っているか、ということでした。
世の中の動きが急にオンライン化を進めて、素早く販売へ・・・と慌ただしくなる中、ミチさんは決して焦ることなく、着実に「確かなもの」を作ろうと努力されていました。
あやふやな状態で慌ててリリースするのではなく、1つ1つ検証したうえで、自分が納得してから次に進む、という慎重な作業を繰り返しておられました。
そして、ただ丸投げに依頼するのではなく、ミチさん自身も学び、テストを繰り返して、ご自分の生徒さんにとって使い勝手が良いものか?自分だけの都合が良いようになっていないか?を、何度も熟考しながら作り上げていました。
コロナ禍にあって、一時的な消費物としてのオンライン化ではなく、将来を見据えたオンライン化を考えているんだな、ということは明らかでした。
月極サポートを通してその工程に立ち会わせていただき、ミチさんの生徒さんへの想いが伝わってきて、さすが月100名が通う人気のお菓子教室経営者さまだな、と改めて感服しました。
賛否両論あった記事を書いた意図
少し前に、当教室のブログで、こちらの2つの記事を投稿しました。
「自分の収入確保のために、大事なお客様を『消費』してはいけません。」
と書きました。
反感を覚えた方も多かったかもしれません。
「ひょっとして私のこと?」
と、ザワつかせてしまった方がいたら、すみませんでした。
決して特定の誰かを非難する目的ではなかったのですが、賛否両論があったようで、図らずも多くの方の関心を集めた記事となりました。
世の中が「オンライン学習ブーム」「学びたい熱の高まり」があったとしても、その流れに安易に乗っかってしまうことの危険性を感じたのです。
やっつけ作業でオンライン化サービスを提供することで、その場限りのものにしてしまいやしないか、ちゃんと先につなげていけものを考えているのか。
また、その商品を購入して下さったお客さまに、その先の受け皿を用意しないまま、中途半端に(お客さまを)放置(消費)してしまわないだろうか、と思ったのです。
どんな時も、お客さまを思う気持ち
自分(提供側)の収入確保や、不安解消、寂しさ軽減のために、無意識に、かつ、慌てて流行りに乗るのは危険です。
例え、たまに目にする広告や、宣伝コピーや、ダイレクトメールなどが、あなたの不安をあおるようなメッセージを伝えてきたとしても、一度、冷静になってみてほしいのです。
そこにまず、何を置いても「お客さまを思う気持ち」があるでしょうか。
いつ提供してもクオリティの確かな、お客さまを満足させるものであり、そのサービスを購入したお客さまの気持ちの高まりを次につなげてあげられるような、確実な商品をつくるのに、どれだけの時間と労力が必要なのか。
あなたが今まで対面サービスで培ってきたものは、長い年月かけて構築してきたものであり、やっつけ作業でリリースしたものではなかったはずです。
オンライン化、焦ってはダメ
今やるべきは、次の「再び」に備えておくこと。
周りのスピードにまどわされず、自分のペースで納得のいくものを作り上げていかないといけません。
一斉に周りがオンライン化を進め、同じような商品(サービス)が一気に出回っていく中で、選ばれ支持されリピートされていくものに仕上げておかないと生き残れない、そんなシビアな時代になっていきます。
だからこそ、焦らず、ちゃんとした商品(サービス)を作らなければいけないのです。
もちろん商品だけでなく、購入の一連のプロセスも含めて、しっかり考えて提供していかないといけません。
迷ったら、お客さまのことを思い浮かべて
今このブログを見ている方の中で、周りの同業の方々が次々にオンライン化していくことに焦っている方がいたら、お客さまのことを頭に思い描いてみてください。
オンライン化した商品(サービス)で、自分のお客さまを喜ばせることができるかどうか、もしまだ不十分だとしたら、それをどうすれば満足していただけるのか。
同業他社や周りの知り合いたちが、オンライン化を急速に進めているかもしれませんが、彼らのお客さまは、あなたのお客さまではありません。
彼らは彼らのお客さまを喜ばせるために、オンライン化が急務だからシフトしているだけです。
今、見るべきなのは「外」ではなく「内」、つまり自分のお客さまです。
喜ぶ誰か(自分のお客さま)が確実にいるからこそ、商品は買っていただけるのだと思います。
とはいえ、この先もしかしたら自分のお客さまも、新たな形でのサービス提供をして欲しいと思うかもしれません。
その時のために、今から調査・体験・勉強・準備しておくことは必要でしょう。
焦る必要はないけれど、心構えだけはいつでもしておくようにしてください。