対面サービスはオワコンなのか?

 

数日前、トヨタ自動車が定期昇給をやめ、成果主義に移行すると知りました。

そして昨日、パソナが本社を淡路島に移転するというニュースを読みました。

パソナだけでなく、本社を地方に移転する会社が増えているそうです。

それもこれも、コロナ禍の影響がきっかけなんですよね。

 

 

経営見直しのきっかけを与えたコロナ禍

多くの企業が大幅な減収に転じたことで、生き残りをかけ、働き方・運営方法を見直しています。

やってみると意外とテレワークでもいけることがわかり、その結果、移動する手間もなく、時間も短縮でき、なにより経費の削減ができて、「効率」という点ではコスパも良く大きな成果があった。

それに、このタイミングで会社がどんな方針転換をしたとしても、従業員や顧客も「仕方ない、時代の流れだ」と納得してくれやすくなって、経営者にとっては周囲の反発を最小限に抑えながら転換できるのも、働き方&経営改革のスピードアップにつながったのでしょうね。

 

 

変化を受け入れざるを得ない

私たち個人で活動している教室・サロン業も同様です。

オンライン化キャッシュレス化などを急速に進め、非対面・非接触のサービス提供を取り入れてきましたし、それは今や消費者にも広く受け入れられるようになりました。

コロナ前までは「そういう方法もあるよね。でもウチはまだ必要ないかな」とか、「便利そうだけど難しそう。第一、お客さんがイヤがるでしょ」などと思って、見て見ないふりをしてきた方も多かったはずです。

でも、この半年の間に、嫌々・恐々ながらも必要に迫られて着手せざるを得なくなり、少しずつ受け入れ、理解し、ようやく慣れてきたかも・・・という状況ではないでしょうか。

 

対面サービスはゼロになるのか?

けれども一方で、対面サービスでなければ得られないことはたくさんあります

特に「コミュニケーション」という点では顕著で、相手の些細な表情や声色、息遣い・香り・体温を感じ、同じ空間や時間を共有する喜び・・・といったライブ感は、オンラインではわからない部分です。

しかし現状は、マスクで顔を隠し、表情が読み取りにくくなって、目から上の動きや声色だけで相手の感情を判断しなければならず、100%のライブ感とは違うかもしれません。

それでも、対面でのコミュニケーションは、必要不可欠だと実感しています。

 

 

孤独は心の健康を損ないかねない

昨年来、隔週で会いに行っている両親の様子を見ても、対面でのコミュニケーションの大事さを思い知らされます。

リタイア後の田舎暮らしの楽しみは、人と人との交流によるところが大きかったのに、今はあらゆる集会・会食・イベントなどが行われなくなり、高齢者の閉塞感・孤独感が急激にその度合いを深めていて、体だけでなく心の健康面でも心配は尽きません。

私自身、隔週訪問に備えて感染しないよう、普段は外出を控える身ではありますが、たとえ短時間といえども、たまに家族以外とリアルで対面して会話することに気持ちが躍るのを感じているほどですから。

 

with コロナのコミュニケーション

では、これからのコミュニケーションは、どうすればいいのでしょう?

関わる相手のニーズや状態・条件によって、対面と非対面を使い分けていかなければいけないと思います。

例えば、お客さまと話をしていて感じたのは、料理教室・お菓子教室・ハンドメイド系教室の場合は、リアルに空間を共有することで得られるもののほうが圧倒的に大きい、ということ。

でも、動画やオンラインでそれらを補うことも十分可能で、むしろそういうサービス提供の仕方の方が都合がよく有難いという方々もいて「喜んでいただけて嬉しかった」という声も聴きました。

つまり、どちらか一方だけを頑なに通すのではなく、併用共存させていかなければいけないということのようです。

もう二度とコロナ前の状況に戻れない以上、片方ゼロではなく、両方50% vs 50% で考えるつもりで、常に対応はフレキシブルに・・・。

 

 

一番は「お客さまの喜ぶこと」を

減収・経営難にばかり気を取られ、効率の良さだけを追求するというのではいけませんが、世の中の流れをみつつ、提供する側ができる範囲で、お客さまの喜ぶことを叶えられるのが理想です・・・難しいことですが。

毎週「半沢直樹」を観ていても、主人公のお客さまを思う姿勢に教えられることは多いです。笑

大手企業の動きは我々個人で活動している者にとっても決して他人事ではなく、むしろ敏感に動向を追っていかなければいけません。

急速な変化についていくのは気力・体力が必要で、なかなか大変ではありますが、私自身もお客さまとコミュニケーションをとりながら、その時々のベターを模索していきたいと思います。