おしゃれなホームページを作るより大事なこと
今このブログをお読みの皆さんは、ご自分のホームページをお持ちでしょうか?
あるいは、これからホームページを作りたいと思っている、という方もいらっしゃるでしょう。
どんなホームページを作りたかった(作りたい)ですか?
「おしゃれなホームページ!」
そう答える方は、きっと少なくないと思います。
私も常々、おしゃれなホームページを作りたいと思っていましたし、今もそうです。
「おしゃれね!ステキね!」
と誰かに褒めてもらえたら、やっぱり嬉しいですよね。
でも、お気づきでしょうか?
「おしゃれなホームページを作るより大事なこと」があることに。
目次
ホームページを作るたびに湧いてくる劣等感
私はホームページ作りを仕事にするようになってから、参考のため、いろいろな業種のホームページを見るようになりました。
その過程では、デザインが凝っていてセンスに溢れたおしゃれなホームページにたくさん出会います。
そのたび、自分のデザイン力の無さや技術力の乏しさを思い知らされて、何とも言えない気持ちになることがありました。
そんなとき、こう思うようにしていました。
「私はウェブデザイナーではなく、ホームページの作り方を教えるのが本業なんだ」
それはまるで「酸っぱい葡萄」の心理にも似ています。笑
おしゃれじゃないホームページの大逆転劇
しかし昨年、あるテレビ番組を見て、ハッ!とさせられることがありました。
それは昨秋、日本でも公開された映画「007」シリーズの最新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」を紹介する番組の1コーナーでのことです。
その映画の重要なワンシーンに、日暮里にある小さな畳屋さん『森田畳店』の畳112枚が使用されているというのです。
面白いことに、森田畳店の畳が採用される決め手となったのが、お世辞にもおしゃれとは言えないホームページだった、というから驚きました。
「007」に畳を提供することになった経緯を紹介したその番組の、放送内容が要約されたページをみつけたので、以下に引用します。
ベロニク・ムルリーさん(注:「007」の美術担当)に話をきくと答えはホームページにあった。
~中略~
「大きくて派手な宣伝ではなくホームメイドである種伝統的・家族的だと感じることができました」などと話した。
番組内のインタビューでムルリーさんは、こうも言っていました。
「森田畳店のホームページは、また別の不思議な魅力を放っています。『これが私たちが提示できるものの全てです』という誠実さに満ちているのです」
この一言を聞いて、私は目から鱗が落ちる思いでした。
素人が独学で作ったホームページの熱量
世界的に有名な映画の美術担当者に、ここまで言わせたホームページ、どんなものなのか気になりますよね?
それは、コチラです。
このホームページは、コチラにも書かれているように、今から24~25年前、パソコンマニアの知人が勝手に作って勝手にアップしたホームページがもとになっています。
その内容が間違っていたのを直すために、3代目店主が独学でホームページを作れるようになり、様々な経緯を経て現在の形になったのだそう。
一見すると素人の手作り感あふれるホームページですが、よく見ると情報量が豊富であるのと同時に、英語版とフランス語版のページも備えていることがわかります。
制作者の並々ならぬ熱量の大きさが、すごく伝わってきますね。
ホームページの本来の役割とは
では、ホームページ作りで大事なことは、何だと思いますか?
それは、
「伝えたいことが(見る側に)ちゃんと伝わること」
「(見る側が)欲しいと思う情報が得られること」
これに尽きます。
おしゃれなデザインは、見る側にインパクトを与えて印象に残るかもしれません。
でも、自分が伝えたいことがうまく伝わっていなかったり、見る側が欲しい情報を得ることができなかったら、ホームページ本来の役割を果たしているとは言えません。
説明がわかりやすかったり、理解を深めるための図説が効果的に使われていたり、あるいは、見る側が情報を探しやすいページ構成であることの方が重要です。
デザインは、それらを補助するスパイス的な役割であるべきで、本来の見せたいものや伝えたいことより目立っては、逆効果になってしまうことさえあるのです。
ホームページ作りで覚えておいてほしい大事なこと
もしこれから皆さんが、ホームページをリニューアルしたい、あるいは、新しく作りたいと思ったら、ぜひ思い出してください。
外注するにしても、自分で作るにしても、
- 自分が伝えたいことを、わかりやすく伝えられているか?
- 見る側が求めている情報をちゃんと得られて、探しやすいか?
これらは、共通して大事なことです。
「おしゃれなホームページを作ること」ばかりが目的にならないように、『誰に』『何を』『どうやって』伝えるか?・・・一番に考えてみてくださいね。
今後レッスンでも作成代行でも、常に第三者目線(ホームページを見る側の立場)を心掛けて、ホームページ作りのアドバイスをしていけたらと思います!